2019年9月に、主に劇場で観た映画に関する感想などを書き留めておきます。新しい作品を観るごとに、また何か思いついたたびに随時追加更新していきます。ネタバレはしないように努めていますが、場合によってはその限りでないのでご注意ください。

2019年09月08日 ドッグマン

内容をざっくりまとめると、「我慢に我慢を重ね、ついにならず者に復讐を果たす」話ではあるが、爽快感は全くない。寡黙な映画であり、主人公の心の動きはみえず、安易な感情移入は拒まれるので、観客は戸惑うばかりである。

温度を感じさせない映像、海辺であろうが、海の見えないどこか抽象的な空間。実話をもとにしているらしいが、受難の寓話であろうか?
観客を容易には近寄らせない映画であるが、なぜか頭から離れていかない作品だった。

2019年09月07日 天気の子

観てる間中、オレのココロは1ミリも動かなかった。
ま、そんな日もある。

TOHOシネマズ新宿で観てたので、画面にTOHOシネマズ新宿が映って、ちょっと嬉しかった。それが作品を観てる間にあった最大の感情の動きだった。

ちなみにラストの決断については賛も非もないです。

まぁ、男子高校生の妄想爆発ってとこは前作と変わらないわけさ(っていうかまだキモさは減じてる)。でも、それなら「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」だってそうじゃん。
どこが違うねんってところを、いろいろ考えた。

で、ようやく宇多丸評聴いていろいろ腑に落ちた。
宇多丸、やっぱり上手いこと言うな。「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」との違いは、社会との向き合い方なんだなと気づいた。

この作品は若者の貧困について描いた作品なんです。大人に見捨てられた若者達は、JKビジネスを始め、結果的に少女を搾取していたという話。

しかし、少女を搾取したことについて、だれも自覚することなく、フワッと許される。主人公の最後の選択は「日本死ね」というメッセージでもあり得たと思う。

にもかかわらず、作品トータルとしては少女以外のだれも傷つけることなく、その責任は最後のアクロバティックな逆転劇によって雲のように曖昧に消え去っていったのです。

いまの日本の気分となんとなくシンクロしてるのかなと思いました。主語が大きすぎますね、ゴメン。

2019年09月07日 アス

ホラー映画はこれまで死ぬほど観てきたけど、久しぶりにマジ、ションベンちびりそうになったわ。
ただ、終盤、話の風呂敷が広がるところは個人的には趣味じゃないんだよな〜。

そこまでいったらなんでもありじゃん、って思っちゃうの。でも「ゲット・アウト」もそうなんだよね。でも、それまでのスリラー演出は絶品なの。

ただ、時代の不安感、あるいはジョーダン・ピール監督の個人史的な不安感を巧みに織り交ぜた暗喩に満ちた作品なので、何度か繰り返して観たいと思う。

2019年09月01日 ロケットマン

映画の日、2本目はエルトン・ジョンの人生を描いた「ロケットマン」。世界中の人々から曲を愛され、これほどの成功を収め、名声も富も得てなお幸せを見つけられないんだから、もう俺は何もしないで寝てるわ。

正直、エルトン・ジョンについてはよく知らないのだが、彼の才能が発見され、名曲が誕生し、成功の階段を駆け上る瞬間を描くシーンには素直に胸熱。
ただ、語りの枠組みや、成功-失墜-復活という展開はややありきたりか。

2019年09月01日 アートのお値段

映画の日はハシゴ。1本目は「アートのお値段」。
アーティストに十分な敬意とお金が払われるべきだけど、アーティストの知らないところで投機的に売買され値段が高騰しているアート市場ってどうなの?というドキュメンタリー映画。

その主題は置いといて、ジェフ・クーンズ、ラリー・プーンズらの製作過程を追う映像はスリリング。そして、超富裕層コレクターの下した最後の決断にはグッと来てしまった。